重要!セキュリティー防犯対策と費用
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最終更新日:2019/10/01
玄関
新築住宅の設計やリフォームを考える際に忘れてはいけないのが、「防犯対策」です。防犯カメラを付けていれば大丈夫では?と考えがちかもしれませんが、カメラの死角から侵入したり、普段登らないような壁から短時間で侵入するなど、手口は様々です。
最近は、ホームセキュリティ会社(セコムやALSOKなど)による月額セキュリティーサービスがあり、何かあった時にすぐ電話や駆けつけてくれます。そこでここでは、防犯対策や工夫点などをご紹介します。
被害の種類を知る
防犯対策を考えるときは、各都道府県の住宅防犯協議会などが発表している住宅を狙った盗難被害のデータや、近隣の警察署が出している被害データ(大体毎月更新)をインターネットで閲覧することができます。また、実際に土地を購入するにあたって、治安状況や周囲の人通りを確認するなどして、犯罪の可能性を不動産業者に確認しましょう。ここでは、最も代表的な「空き巣」「忍び込み・居空き」の2種類を解説します。
【被害①】空き巣
自宅に入られ金品を盗まれる、いわゆる侵入盗で一番多いのが空き巣です。空き巣とは留守中の住宅に侵入され金品を盗む手口です。この空き巣の手口が侵入盗の約68%を締めています。(※2016年警察庁犯罪統計による)
この空き巣の侵入手段ですが、ガラス破りが59%、無施錠が20%、ドア錠破りが11%となっていて、きちんと施錠していても泥棒の侵入は防げないのが現状です。また、夕方から夜にかけての時間帯は、電気が点いていないと留守で気づかれるため、ガラスなどの破壊音を最小限にする侵入手段を取られてしまいます。
空き巣の侵入手口NO.1の「ガラス破り」とは
こじ破り・三角割り
ガラス破りの手口には、大きく分けてガラスを割る方法が3種類あります。まずひとつ目は、「こじ破り」や「三角割り」と言われる方法で、掃き出し窓などの鍵の部分のみをドライバー1本で割り鍵を開けてしまいます。その割られたガラスの形が三角計なことから「三角割り」と呼ばれています。
打ち破り
打ち破りとは単純で、バールやハンマーなどで叩き割る方法です。もちろんガラスが割れる時に音が出でもお構いなしの強引な手口です。
焼き破り
焼き破りとは件数はまだ少ないですが、最近ニュースでも話題になる方法です。ガラスは急激な熱の変化に弱い物質です。ガラスのコップに熱湯を入れて割ってしまった方も見えると思います。焼き破りの原理はこれと同じです。ガラスが割れるまでは時間がかかりますが、割れる音は比較的小さいです。
空き巣の防犯対策
空き巣に有効な対策は、「割れにくい防犯ガラスにする」ことです。防犯ガラスは衝撃があった際無数にヒビが入りますが貫通しにくいように膜が貼ってあり、防犯ガラスフィルムのように張り替えること無く性能を維持できます。防犯ガラスというと、網入りガラスや強化ガラスを思い浮かべる方もみえますが、これらには防犯効果はありませんのでご注意ください。
防犯ガラスの性能は数値化されています。通常のガラスで先程紹介したこじ破り・打ち破りでの侵入時間を1としたとき、中間の膜を2.3ミリ入れたものではこじ破りで10倍以上、打ち破りでは83倍と侵入時間を長くすることができます。泥棒も防犯ガラスとわかった時点で、侵入を諦める可能性があります。また、値段は上がりますが更に強化するために、ポリカーボネートをはさみ強化したものや、焼き破り対策で耐火したガラスも販売されています。
【被害②】忍び込み・居空き
空き巣は無人の家に忍び込む方法ですが、忍び込み・居空きとは家の中に住人がいるにも関わらず侵入する手口です。ある意味空き巣よりももっと恐ろしい犯行です。忍び込みとは、夜間就寝中に侵入して金品を盗む手口で、居空きは昼夜問わず侵入する恐ろしい手口です。
この忍び込みや居空きは事件総数の4分の1を超える被害があります。子供だけが家にいるときや、奥さんだけが家にいるときなど泥棒と鉢合わせし更に大きな事件になるニュースもありますので、注意が必要です。
忍び込み・居空きの防犯対策
忍び込みや居空きは住人が在宅の時に起きる犯行のため、ガラス破りなどの大胆な犯行より窓や玄関が無施錠だったときに侵入されるケースが50%を超えています。夏の暑い日に窓を開けたままの状態や、窓の鍵をかけ忘れた家が狙われてしまいます(ガラス破りも27%発生しています)。特に、短い時間での侵入が多く、以下のような「気の緩み」「思い込み」で被害に遭うことを覚えておきましょう。
- ゴミ捨ての短い時間だから大丈夫
- 暑いから窓を開けっぱなしにするのは仕方がない
- 貴重品は2階だから大丈夫
- 格子があるから大丈夫
尚、この手の犯罪は当然夜間にも起きえます。深夜などに庭からの侵入を防ぐには、音の出る砂利をひくことや、施錠をきちんとすること、人感センサーと防犯ライトを取り付けるようにしましょう。
防犯対策の4原則
防犯対策を考える上で、基本となる4原則というものがあります。防犯対策を考える際、以下の観点で防犯対策に穴が無いか?今一度確かめてみましょう。
時間・・・侵入までに時間のかかる設備
先程紹介した防犯ガラスのように、簡単に解錠させない仕組み、ドアや窓に鍵を掛ける(防犯用の鍵があるとさらにOK)が重要です。
光・・・家の周辺を明るく
夕方に無人と悟られない仕組みや、深夜でもセンサーで明かりが点く仕組みが重要です。
音・・・警報機や防犯砂利で周囲に侵入を知らせる
深夜の忍び込みを防ぐ防犯砂利だったり、窓の開閉や振動で発報する警報機など音が出る仕組みが重要です。
地域の目・・・住民同士の連携や不審者への声がけ
自宅周辺が高い壁で囲われていたり、木が覆い茂っていると簡単に敷地内に忍び込まれ、近所の人の目に付かない状態になってしまいます。セキュリティーが万全ではない場合、高さのある塀などは逆に犯行し易い環境になってしまいます。
まとめ
いかがだったしょうか。本記事を通して防犯意識が高まり、実際に対策を打とう!となって頂ければ嬉しいです。尚、警察庁や国交省、経産省が建物部品を製造する民間団体と検討し、「侵入までに5分以上時間を要する」など、ある程度の防犯性能があると評価した建物部品をCP建物部品として公表しています。設備を選ぶ際にひとつの目安としてくださいね。
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